- 2025年3月29日
日本国内においてシェアを一気に拡大することが出来たGoogleですがここ直近で見れば為替に対して忠実な価格設定をしたこともあり高価格化した印象を受けます。そのため以前のような「コスパがいい」と呼ばれにくくなった感じですがGoogleも分かっているはず。
少なくともGoogleは次のフェーズに移行しようと考えているのかもしれません。今回はGoogle Pixelがなぜ国内でここまでシェアを拡大することに成功することが出来たのか主観的にまとめたいと思います。
値上げを極力避けた。

2020年にパンデミックが発生した影響もあり半導体不足が発生したことに加え、ロシアとウクライナが戦争を開始したことで世界的なインフレの要因になりました。
もちろんスマホの価格にも影響しており、この頃から世代を重ねるごとに高価格化していた印象があります。ただGoogleに関しては国内シェアを維持するためか円安も進んでいた中で値上げを行いませんでした。
機種名 | 価格 |
Pixel 4 | 8万9980円 |
Pixel 5 | 7万4800円 |
Pixel 6 | 7万4800円 |
Pixel 7 | 8万2500円 |
Pixel 8 | 11万2900円 |
特にインパクトがあったのが実質ミドルレンジであったPixel 5から初のGoogle Tensorを搭載したPixel 6で値上げが行われなかったことです。またPixel 7までは直販版価格において他社が10万円近くになる中で8万円程度と安かったこともあり一気に注目を集めた感じになります。
よくPixelは「安い」と言われますが値上げを極力しなかったことで他社と比較して安く見えるようになっただけとも言えます。そのため最初から「安い」というイメージをつけるためのマーケティングを行っていたわけではないのかなと思います。
一般層に幅広くリーチできた。

国内においてPixelの黎明期から積極的に取り扱ってきたのがSoftBankです。一方でdocomoに関してはPixel 3シリーズが想定以上に売れなかったこともありPixel 3aを最後に一度Pixelの取り扱いをやめています。
そしてauに関しては取り扱いが開始がちょっと遅れた感じでPixel 5より取り扱いを開始しています。少なくともPixel 6シリーズで注目を集めてからSoftBankとauは積極的に展開する中でdocomoだけが取り残された状態に。そのためかPixel 7aとPixel Foldのタイミングで取り扱いを再開させています。
何よりGoogleにとってこの流れは大きかったと判断することができ国内の大手3キャリアに取り扱ってもらうことに成功。キャリアによって温度差があるとはいえキャリアが一斉に扱うことで特に一般層の認知度は高くなります。
Pixelはセールの時に注目を集めるとはいえ「直販版」なのでたかが知れています。Googleにおけるキャリアモデルと直販版の売り上げ構成比がどのような感じになっているのかは不明ですが、直近の情報において国内市場での直販版のシェアは約10%です。
またその半分はiPhoneと言われているので、Android全体で直販版のシェアは5%に過ぎません。なのでほとんどのユーザーはキャリアで購入する流れであり、キャリアでどれだけ売れるかが非常に重要になってきます。
何よりCMなどの効果でAIと聞いてもピンとこない人でも「消しゴムマジック」と聞けばそれなりに認識している人が多く一般層に広く認識してもらえたことは大きいです。
そしてこの段階に入ると「価格」は最優先事項ではなくなります。結局認知してもらうために価格を安くして話題を集める。ただある程度の認知がついて売れるようになれば価格の安さに固執する必要はなくなる。
あくまでも主観ですがGoogleは国内市場においてこの段階に入ったからこそ為替に対して極端に安い価格設定をしなくなったのかなと思います。
今後どのような売れ行きになるのか不明ですが、少なくともauやSoftBankなどキャリアが他のAndroidと比較して率先して販売してくれている限りは国内市場において比較的安泰なのかなと思います。
